出生前の検査
出生前の検査には、リスクの検査と確定検査があります。当クリニックでは、ご希望の方には下記の出生前の検査を実施しております。
染色体疾患について
赤ちゃんの生まれつきの病気はたくさんの種類がありますが、染色体の数の異常による病気には以下のようなものがあげられます。
ダウン症候群(21トリソミー)
一般的に600~800人に1人の割合で出生するといわれています。
心疾患、消化器系疾患などの病気をもつ場合があり、生後の身体や言語の発達は全体的にゆっくりですが、適切な成育環境(療育など)によって成長発達を促すことができます。
エドワード症候群(18トリソミー)
一般的に4,000~10,000人に1人の割合で出生するといわれています。
妊婦健診で行われる超音波検査で赤ちゃんの発育不全や心疾患、消化器系疾患、四肢の形態変化など、複数の病気を持って生まれてくることがあり、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。
パトウ症候群(13トリソミー)
一般的に5,000〜10,000人に1人の割合で出生するといわれています。
超音波検査によって心疾患、中枢神経・消化器系疾患などの病気、身体の形態変化など複数の病気を持って生まれてくることがあり、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。
遺伝カウンセリング
準備中
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)
準備中
クアトロ検査
クアトロ検査は、お母さんの血液中の4種類の物質の濃度を測定することで、お腹の赤ちゃんがダウン症候群などの染色体異常を持っている可能性を計算する検査です。結果は「陽性」や「陰性」ではなく、確率(例えば、1/50)で示されます。確率が高い場合は、羊水検査などの確定診断を受けるか、より詳しい画像診断が必要かどうかを判断する材料となります。検査を受ける前に、医師から詳しい説明を受けてください。
● 検査対象となる染色体疾患
ダウン症候群(21トリソミー)、エドワード症候群(18トリソミー)、開放性神経管奇形(二分脊椎、無脳症)
● 検査方法
妊婦さんの血液を少量採取し、血液中に含まれる4つの成分(AFP、hCG、uE3、Inhibin A)を測定します。これらの成分は、妊娠中に胎児または胎盤で作られます。それぞれの値は妊娠週数によって変化しますが、胎児に特定の疾患がある場合、通常とは異なる値を示すことがあります。
● 検査を受けられる時期
推奨検査時期は、妊娠15週から16週頃までです。
妊娠15週0日から21週6日まで検査することが可能ですが、クアトロテストの結果を見てから羊水検査を受ける場合があるため、16週頃までに受けることが望ましいです。なお、妊娠15週未満では検査できません。
● 確率について
確率が1/500だった場合、次のように解釈します。
「同じ1/500(0.2%)という結果になった妊婦さんが500人いたとしたら、そのうち1人(0.2%)がお腹の赤ちゃんに染色体異常がある可能性があります。残りの499人(99.8%)の妊婦さんの赤ちゃんには、染色体異常はありません。」
● 料金
22,000円(税込)
● 検査結果
2週間程度
羊水検査
お母さんのお腹から細長い針を用いて子宮内腔に穿刺し、羊水を採取することにより、羊水中に含まれている胎児の細胞を調べ、胎児に染色体の変化(染色体数や構造の異常)があるかどうかを調べる検査といいます。
● 当院では下記の条件を一つでも満たした場合は、羊水検査を受けることは可能です。
1.夫婦いずれかあるいは双方が染色体異常の保因者
2.染色体異常児を分娩した既往のある者
3.高齢出産
4.NIPTで胎児染色体異常が疑われる場合
5.母体血清マーカー検査で胎児染色体異常が疑われる場合
6.胎児超音波検査で胎児染色体異常が疑われる場合
7.その他、重篤な胎児異常のおそれがある場合
● 検査方法
下腹部を消毒した後、超音波で胎児と胎盤の位置を確認しながら、細い針を腹壁から羊水腔に刺入し、羊水を約20ml採取します。穿刺部位には、必要に応じて局所麻酔を行います。検査による子宮内感染を予防するため、抗生物質が処方される場合があります。また、検査前後には子宮収縮抑制剤を服用していただくこともあります。
検査は通常、妊娠16~17週頃に行います。検査結果に基づいて妊娠中絶を考慮する場合は、妊娠21週までには結論を出す必要があります。そのため、妊娠18週までに検査を済ませることが望ましいとされています。
【費用】 110,000円
【検査結果】 14日間
● 検査の限界
この検査は胎児の染色体異常を早期発見するために行われますが、検出できるのは染色体の数や構造の異常のみです。その他の多くの奇形や先天性疾患は診断できません。また、染色体異常についても、微細な異常やモザイク(正常な細胞と異常な細胞が混在している状態)などは検出されない場合があります。
胎児超音波スクリーニング
妊娠中は、赤ちゃんの発育を見るための超音波検査が妊婦健診ごとに行われます。しかし、妊婦健診で行われる「一般超音波検査」だけでは、胎児の細かい異常に気づかない場合や、妊娠後期になって初めて異常が現れる疾患もあります。当院では、より安心して出産を迎えていただけるよう、妊娠20週頃と30週頃の2回に分けて、より詳細な「胎児超音波スクリーニング」を実施しています。